webマーケティングの仕事内容にはなんとなく興味はあるんだけど、いまいちピンときていない。いろんな本やネットで情報を調べたけどもう少しスッキリと理解したい。
そんなお悩みを解決します。
本記事では、EC業界に勤める現役のwebマーケターが、難しい専門用語を簡単な言葉に置き換えながら、webマーケティングの仕事内容をわかりやすく解説します。
本記事の信頼性
- 元、転職サイトの営業マン
- 29歳未経験からEC業界のWEBマーケターとして活躍中
- Webマーケティングの副業と合わせ、地方にいながら年収700万(前職350万)
- 本ブログ最高10,000PV達成
そもそもwebマーケティングって何?
web上で売るための仕組みづくりをすることがwebマーケティングと言われていますが、私の実務経験からこのことをよりイメージしやすく掘り下げてみます。
web上とは?
マーケティングというのが売るための仕組みづくりのための活動で、web=ネット上で、ということになります。
webマーケティングは、webサイトやオウンドメディアいわれる自社サイト、ツイッター、フェイスブック、インスタ、ラインなどのSNS運用、検索結果への露出対策などが含まれています。
今では消費者に身近に接するところに対して販促活動をおこなうのがwebマーケティングです。
似た用語でデジタルマーケティングという言葉がありますが、これはwebマーケティングよりもさらに広くIOTやAR、VR、デジタルサイネージ、CRMが含まれます。
ここで、売るための仕組みづくりというところがピンとこないと思います。
売るための仕組みづくりとは?
- お店やサイトのコンセプトづくり
- 商品の設計
- 販路の設計
- 売上目標
- やることリストをつくる
など、商売をするために必要なことを考えて、それぞれにやることを検討し、企画を実際に行動に移すまでのスケジュールやマニュアルを作り、それを販売側に伝えるところまでの一連の流れを担います。
これでもまだ良くわからないと思いますのでたとえ話をします。
売るための仕組みづくりの例
私は洋服が好きなので、洋服屋さんで例えますね。
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●お店やサイトのコンセプトづくり
- どんな人をターゲットにしようか(30代の子育て世代?親世代の70代?)
- どこに出店しようか(楽天にしようか、shopifyにしようか)
- どんな店構えにしたり(激安店にしようか、高級店にしようか)
●商品の設計
- 競合他社の商品やサービスを調査(ほかではフード付きのフリースが売れているのか)
- どんな商品をつくろうか(うちではフード付きフリースにボタンを付けてみようか)
- ●販路の設定
- 競合他社はどんな施策を取っているのかを調査(ほかでは動画に力を入れているのか)
- youtubeに動画をアップしてみようか(うちでも商品説明動画をつくってみよう)
- インスタに投稿してみようか(コーディネートを毎週アップしたらどうか)
- リスティングの広告を出稿してみようか(検索からの流入も強化しよう)
- メールマガジンを月に何回打とうか(お店にリピートしてくれるといいな)
- チラシを作ってみようか(オフラインの販促も見逃せないな)
- イベントを企画してみよう(フリースのついでに暖かいグッズの特集を組もう)
●目標、行動、振り返り日の設定
- 売上と利益目標の設定(月に100万売れたらこれくらいの利益が残るな)
- 行動の設定(今月はyoutubeとインスタをテストしよう)
- 担当の決定(動画は彼に依頼しよう。インスタは彼女に依頼しよう)
- 振り返り日(月2回ミーティングで数値を振り返ろう。)
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など、
このようにお店やサイトのコンセプトから商品やサービスそのものの企画を行い、販促方法や目標を設定します。
そして決定した事項を実行に移すためのスケジュールを組んでいきます。
毎日のやることを決めたり(ルーティンタスクの設定)、販売マニュアルを作ったりすることもマーケティングの一貫です。
このような一連の流れを考えることが、『売るための仕組みづくり』、ということです。
営業やセールスとの違い
営業やセールスは販売に特化した仕事になります。
まず商品が決まっています。販売のマニュアルも用意され、それを実行に移すことが仕事になります。
お店やサイト、商品のコンセプトを勝手に変えることはできません。
お客さんと直接接すること、実行記録を取り実行したことを管理していき、それを上層部に報告します。毎月売上を上げるための施策などの提案も行います。
ただ、中小企業など人数が少ない企業や個人事業主などはマーケターがこの営業やセールスまで担っています。
私も例にもれず、実務で営業活動を行っています。
webマーケティングの仕事内容がわかりにくい理由→英語とカタカナ
webマーケティングそのものについては上記で具体例も交えてお伝えしたのでだいぶイメージしやすくなったと思います。
ここではさらに実務に踏み込んで、その中で使われる専門用語を解読していきます。
webマーケティングがイメージしにくいのはそれが英語やカタカナばかりの横文字だからだと思います。
仕事内容の紹介に入る前に、全体像をできるだけ日本語に翻訳して解説していきたいと思います。
基本の計算式
売上=来客数×購買率×単価
集客をして、その人達を購買につなげる確率を高める、そして単価を上げる、この掛け算で売上が成り立ちます。それぞれの側面から用語を見ていきます。
PV、UU、セッション
来客数はネット上ではアクセスと一括りにされることが多いです。
アクセスはPVやUU、セッションなどという言葉があります。
- PV=ページビュー=こちらはシンプルにページが何回見られたか、という数
- UU=ユニークユーザー=名前の通りユーザー数です。お客さんの数です。1人のお客さんが3ページ見ても(3pv)UUは1となります。
- セッション数=ユーザーがwebサイトに訪問した数を指します。(閲覧ページではなく、訪問サイトという点に注意)
聞き慣れないのでイメージしにくいのですよね。
●PVとセッションの違い。
PVは個々のページに対しての閲覧数で、セッションはwebサイト自体に訪れた人の数を言います。
このサイトで言えば、いまあなた1人がこのサイトに訪れているので、セッションは1となります。そしてあなた1人がこのサイトで3記事みれば、PVは3となります。
●UUとセッションの違い
訪問している数なのでUUと混乱しがちですが、セッションは1人の人が一定期間開けてサイトに訪問してもカウントされます。
かなり分かりづらいので、図解にしてみました。
こちらでだいぶイメージしやすくなったと思います。
注意点として、セッションがカウントされない場合があります。
それは、何も操作が行われない状態で30分経過、つまりwebサイトを開いたまま放置しているとセッションとしてカウントされません。また、午前0時、つまり日付が次の日になると訪問していたとしても、ゼロからリセットされます。
CV、CVR、CTR
Cから始まる3つの用語があります。
CV、CVRは上記の購買率を表します。
コンバージョンレート(conversion rate)といって、訪れた人が実際に成約につながる確率のことを指します。
単にコンバージョンといったりシーブイといったり、成約率、転換率、購入率、購買率とも言われ、業種や人によって言い方はそれぞれですがすべて同じ意味と捉えて問題ないです。正確にはCVRなのですが略してCVとだけ表記することも多いです。
CTRはクリック率のことです。
クリックスルーレート(clickthrough rate)とやシーティーアールといいますが、横文字は長ったらしいので、クリック率と言い換えるようにしましょう。
webマーケティングの仕事内容1:集客の実践
webマーケティングの仕事に重要な要素は集客です。
そもそも集客ができないと売上が立ちません。
また、購買率や単価の調整をすることもできません。
そして何よりデータが何も取れないので手を付けようがありません。
そこでまず一番最初に行うことは集客です。
集客には大きく新規獲得とリピーター対策の2つがあります。
●新規獲得
- 検索対策
- 広告対策
- SNS運用
●リピーター対策
- メルマガ、LINEなどのリストマーケティング
- イベント企画
- 関連リンクの見直し(サイトの導線づくりの構築)
1つずつ見ていきます。
新規獲得の場合は、商品やサービスをピンポイントで紹介します。
検索対策
まずは検索対策です。多くの新規ユーザーはなにかしらの検索で訪れます。
検索対策とは、自然検索を上げる、リスティング広告を使う、この2つがあり、
根底のスキルとなるのがSEOと呼ばれるものです。
SEOは大義でキーワード対策と言って大丈夫でしょう。
どんなキーワードを設定すればクリックしてもらえるか、そのことをツールを使ったり、
オフラインの情報で仮説を立て設定していきます。
ただアップしたてのページは自然に検索が上がることはないか、ものすごく時間がかるので、
早期に売上を立てたい場合はワンクリック10円などのクリック課金型と呼ばれるリスティング広告の運用をします。
その入札価格の調整やデータの振り返りも仕事となります。
広告対策
リスティング広告とは別に、媒体にバナーの広告を掲載します。
それが楽天内にだすのかヤフーに出すのか、フェイスブックに出すのか、サイズはどうしよう、
ターゲットはどうしよう、など全体的な企画を決めます。
画像や文章まで決まればアドビのフォトショップやイラストレーターというデザインソフトを使って、
掲載まで実行します。デザイン業務はデザイナーに依頼することも多いです。
運用が開始されれば、表示回数やクリック率(CTR)を確認してroasと呼ばれる費用対効果の改善に活かします。
SNS運用
ここ5年位で急激に存在感を増してきたのがSNSです。
インスタグラムの画像をつくって投稿したり、ツイッターの投稿、
また、youtubeなど動画投稿サイトも強力な販促ツールとなります。
これが地味に大変です。snsは本来は交流目的なのですが、ビジネス目的なら1つ1つをホームページ
を作り上げる気合とノウハウが必要です。
新規獲得の場合は、商品やサービスをピンポイントで紹介します。
続いて、企業は新規獲得だけでは利益が取れないのでリピーター対策もしっかり行っていきます。
メルマガ、LINEなどリストマーケティング
メールマガジンの内容や文章を考えます。
季節の商品やイベント企画、クーポン企画などでお客さんの興味を引いた文章を書きます。
画像を交えたり、動画サイトにリンクさせたり、リストのお客さんを絞り込んだり、
多くの施策を総合的に行い、こちらは実際に自分で手を動かすことが多いです。
イベント企画
既存のお客さんには単品の商品やサービスの紹介では飽きられますし、販売側もネタが尽きます。
そこで、いろいろな商品を組み合わせて特集を組んだり、カレンダーを見て例えばクリスマスなど購買意欲が高い時期に、クーポンを発行する企画を立てたりして、ときに非日常感を感じさせる工夫をします。
そのスケジュール調整や実際のページ編集など地味な作業も仕事となります。
関連リンクの見直し、サイトの細かい修正
新しい記事や新しい商品をアップした場合に、既存の記事や商品からの導線をつくるために、
リンクの修正を行います。htmlを軽く触る程度のものですが、量が重なるとなかなか手間です。
また、古いコンテンツは内容が変わっていたりすることもあったり、後で見るとあまりイケていなかったりするので、
文章の書き直しを行ったりします。修正作業は地味ですが、見ている人は細かく見ているのでぬかりないように行うことも仕事となります。
以上が集客部分の大きな仕事となります。
webマーケティングの仕事内容2:購入率アップの実践
集客ができてお客さんがきていることがわかれば、次は購買率を調整していくことで売上アップを狙います。
CV、CVR対策には、コンテンツそのものの見直しがメインになります。
コンテンツの見直しとは
- キーワードの見直し
- キャッチコピー
- 文章
- 画像
- 動画
- 全体的なデザイン
- アピールする商品そのもの
- 価格
大きくはこの7つに分類されます。
無駄なキーワードで集客してしまっては無駄なクリック数が増え広告額が増えるだけでなく、CVが下がるので必要かつ十分で過不足のないキーワード調整をします。
またキャッチコピーを変えてみたり、セールスライティングを取り入れてみたり、サムネイル画像やページ内画像を変えてみる、写真を取り直してみる、動画を差し込んでみる、というデザイン全体に関わることもあります。自分で行う場合もあれば、指揮・指導することもあります。
以上を変えてみて、どうしてもコンバージョンが上がらなければ、市場選定や商品そのものが間違っている可能性があるので、
早めに見切りをつけて在庫処分の値下げセールの企画をします。
多くの施策を行う中で、総合的に素早く決断することも仕事となります。
webマーケティングの仕事内容3:実践データを見て振り返り
集客対策と購買率アップの対策が終わったら、あとは市場に出して答え合わせをします。
PVやUU、セッション、CVRを毎日確認します。Googleアナリティクスという分析ツールを使うこともあれば、楽天などのモールのツールを使います。基本は無料のものが多いのですが、そのままだと見にくいのでCSV形式でダウンロードして自分でエクセルをカスタマイズしてつかいます。専門用語は2日~3日でなれるので、エクセルの知識をつけておき簡単な関数を使えるようになっているといいです。
そうしてながめた数値の中で、アクセスはあるけどCVが悪いとなればCV対策をし、CVはいいけどアクセスが弱いとなればキーワードや広告露出を高めたり、コンテンツの状態によって臨機応変に対策を考えていきます。
売上=集客×購買率×単価
とはじめに伝えたのですが、単価の方に触れていませんので補足をします。
商品やサービスの単価に関しては、経営に直接関わるのでwebマーケターが関与できない部分も多いかと思います。
なので、webマーケターの仕事の大枠は、集客対策、購買率アップ対策、データ分析、の3つがメインの業務になります。
webマーケティングのやりがい
今まで見てきたように、webマーケティングの仕事は総合的に多くのことを行います。
文字にするとなんだか大変そうって思われますが、慣れてしまえば1つ1つの作業は短いですしルーティン化することができます。
そして総合的に仕事を管理している立場でもあるので、メンバーに依頼をしたり外注することでラクになります。
やることも責任もありますが、そのぶん成果が直接分かりやすく、自分の考えた施策があたったときは、ロープレをクリアしたかのような喜びを子供みたいに感じることができます。そんな気持ちになれば、仕事をしているというよりはなにかのゲームをしている感覚です。努力が目に見える、努力が報われる、ことにやりがいを感じます。
webマーケティングに向いている人
webマーケティングの仕事内容もやりがいもよく分かったけど、自分にできるのか不安。。。
そう考えるのはとても自然なことです。
数値で物事を判断するのが好きな人や自分のアイデアを試行錯誤するのが好きな人、新しいことに興味がありチャレンジ精神がある方はwebマーケティングの仕事に向いています。
詳しくまとめた記事もありますので、ぜひ参考にしてください。
【成果出しやすいよ】webマーケティングに向いている人の特徴と性格12選
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気軽にwebマーケティングを体験するならメルカリとブログがおすすめ
webマーケティングって仕事内容を見ても、なんだか難しそうな気がしますよね。
でも、2022年の現代においてはwebマーケティングってとても身近ですし、今そういう仕事についていなくても実は知らず知らずにwebマーケティングしてるんですよ。
メルカリでモノを売ったことがあるならそれも立派なwebマーケティングです。売れそうなものをできるだけ魅力的に撮影して、文章を丁寧に書いて、他の人がどれくらいの値段で売っているかを調べる、そうしたことをスマホ1つでできるのですからネットでモノを売るのがとても身近になりました。見ている人やお気に入りしている人も数値化されていますからね。かくいう私も、学生時代にヤフオクにドハマリしたんです。当時はパソコンからしかできなかったですが、ネットでモノを売るのが好きで気づいたら今その延長線上の仕事についているという、とても不思議な感覚です。
また、ブログを書くのが好きならそれもwebマーケティングを体験していることになります。はてなブログやアメーバブログはアクセスが集まりやすいので、書いた記事に何人集まったとかがすぐ分かりますので自然とPVの概念も分かってきます。
自分には無理だよ〜なんて思わず気軽にやってみてください。きっと、「あ、俺にもできそうだ」と思える気がします。
まとめ:webマーケティングはネット上でモノを売るために沢山の活動を考えて実行する仕事
以上、webマーケティングの専門用語の解説から、詳しいリアルな実務の流れをお伝えしてきました。
webマーケティングの仕事内容をもう一度まとめますと、
- webマーケティングは、web上でモノを売る仕組みを作ることであり、基本の計算式は「売上=集客×購買率×単価」。
- webマーケターの仕事の大枠は、集客対策、購買率アップ対策、データ分析、の3つがメイン。
- 集客は新規とリピーターの対策に分かれ、SEOやweb広告、sns、メルマガなどを運用。
- CV対策として、キャッチコピーや画像、デザインの練り直し、商品の選定を行う。
- 最後にデータを毎日振り返り、改善点を見つけて修正
こんな流れになります。
未経験であっても、はじめにしっかりと仕事内容をイメージしておけば、必要なスキルの準備もできますし、面接でもスラスラと話すことができると思います。
この記事でwebマーケティングの仕事内容がイメージできたらとても嬉しいです。