Web広告運用の仕事って辛くないの?
こんな疑問にお答えします。
Web広告運用の仕事が辛い5つの理由
- 見るべきデータがたくさんあるから
- お金がかかっておりプレッシャーがあるから
- 成果を出さないといけないプレッシャーがあるから
- 勉強し続ける必要があるから
- やることが多いから(残業や休日出勤も)
1つずつ見ていきます。
見るべきデータがたくさんあるから
Web広告のデータは非常に多く、担当者としては全ての数値を統計しなければいけません。
見るべきデータがたくさんあるので、それなりに時間がかかるのでその点はしんどいかもしれません。
Web広告運用での指標は以下です。
- 表示回数(Impressions:インプレッション)
- クリック数
- クリック率(CTR:シーティーアール)
- クリック単価(CPC:シーピーシー)
- 利用金額
- コンバージョン(CV:シーブイ)
- コンバージョン率(CVR:シーブイアール)
- 千回表示あたりのコスト(CPM:シーピーエム)
- 顧客獲得単価(CPA:シーピーエー)
- 広告費用対効果(ROAS:ロアス)
- 投資収益率(ROI:アールオーアイ)
- 注文数
- 売上
以上のように、13個も指標があります。
1案件、1商品ごとにしっかりと管理していかないと、原因分析や次回の対策が遅れてしまいます。
これらの指標をまずは覚えることが大事です。これらは自分で単語がしみつくまで覚えることをおすすめします。
なぜなら、上司や先輩はすでに知っている知識なので専門用語を使ってきます!w
「初めての言語なのにいきなりカタカナ使われてもわかんねーよ」
って思いますが、そういう感じの人はWeb業界に多いですね。後輩ができたときに丁寧に説明できるよう、初めの段階から英単語を覚える感覚で意味までしっかりと抑えておきましょう。
覚えることも大変ですが、実際に運用してデータ管理をしていくほうはもっと大変かと思いますので、エクセルの計算式を駆使してCSVデータでダウンロードして貼り付けるだけでデータが一覧できるようにしておいたほうがいいです。
お金がかかっておりプレッシャーがあるから
Web広告運用のしんどい点は、ズバリお金がかかっているところです。
知識や経験によって失敗の確率を減らすことはできますが、思うように成果が上がらないことは多々あります。
広告は投資的な意味を持つので、大手企業でもTVCMをバンバン打っても直接的な効果が得られないことは多々あります。
その際になにが嫌かというと、お金が減るということです。限られた予算を投じるわけですから、「何も意味がなかったらどうしよう」という緊張感があります。事前に戦略を考案したうえでの広告投資となるのでギャンブル的ではないのですが、それでもプレッシャーが重くのしかかるのが辛いところです。
成果を出さないといけないプレッシャーがあるから
Web広告はお金をかけている以上、成果を出さなければいけないというプレッシャーが他の仕事に比べても大きいです。
SEOや記事改善や商品ページ改善に比べて、短期的に結果が現れやすいのでなかなか言い訳が効きません。
例えば、SEOの業務では長期で結果を出していくので、途中で成果が出なくても周りは気長に待つことができますが、Web広告の場合は広告を出してその反応がすぐわかるので、もし成果が悪い場合は上司に理由を問われます。
また、個人事業でも失敗をすれば必ずお金を失うことになるので、成果を出さなければいけないという重圧に苛まれることがあります。
勉強し続ける必要があるから
Web広告はトレンドの移り変わりが早く、今まで成功していた方法が突然通用しなくなることがあります。
これは私の実体験ですが、7年ぐらい前の楽天やヤフーショッピングのECモールの広告ではメール広告やタイムセール広告などで売上を上げることができていましたが、近年では広告費が値上がってroasが悪くなったり、「売れる広告」となれば情報が出回り競合も出稿して効果が悪くなったりします。
なので、CPC広告やGoogleやYahoo! JAPANの外部広告も出稿したりするのですが、その度にその方法や指標を勉強しなければなりません。
近年でしたら、SNS上に出す広告も覚えていかなければなりません。
LINEやFacebookだけにとどまらず、YouTubeやTicTokなど動画広告も検討したり、時代が流れるにつれてユーザーが使用する媒体も変わってくるので、その都度新しいことを覚えていかなければならないのはWeb広告の辛いところだと言えます。
やることが多いから(残業や休日出勤も)
Web広告の担当は非常にやることが多いですが、とくにクライアントワークの場合は激務になりがちです。
クライアントは1社だけではなく複数のクライアントがおり、そのクライアントと1社ずつやりとりをするのですが、それが結構しんどいです。(クライアント様には言えませんが)
まず要望をヒアリング、予算の確認、ターゲット選定や広告出稿の方向性の取り決めを行うのでまず実務に移るまでにも時間が取られます。
そして実際の広告出稿の準備と入稿、その都度の進捗報告、その後の成果確認をしますが、その際に広告運用の結果レポートを提出します。
この一連の作業を複数のクライアントと同時並行で行うので、1人でこの作業を行うとタスクが膨大になりがちです。
そうすると定時では仕事が終わらない可能性も出てきます。場合によっては残業が必要ですが、近年では「働き方改革」と言われ、残業が取りにくい会社が増えています。
そうなると休日出勤か、休日出勤も抑制されている会社も多いので、結果持ち帰りサービス残業が発生しますので、そういうときはほんとにしんどいなと思います。
それでもWeb広告運用の仕事をおすすめする理由
これまで、Web広告のしんどい点にフォーカスしてきましたが、ここからはそれでも現役Webマーケターが広告運用をおすすめする理由をお伝えします。
- 集客の時短になるから
- 成果が出れば安定しやすいから
- 成果が出るのがスピーディー
- PC1台で完結できる仕事だから
- 需要があり、将来性があるから
1つずつ見ていきます。
表示の時短になるから
Web広告の醍醐味はなんといってもすぐに表示(インプレッション)が稼げることです。
お金をかけているので、SEOに比べるとお客さんの前に商品を露出する時間は何十倍、何百倍にもなります。
ECサイトの例では、特に新規の売出しの商品にはお客さんが集まりにくいので、初動の段階でまずはお客さんを集めるのに有効な手法です。
まず、表示をしないことには、この画像やキャッチコピーはクリック率がいいのか、CVがいいのか、など制作物の良し悪しがわかりません。良し悪しがわかれば改善を繰り返すだけですが、SEO単体で勝負していくと表示するまでに時間がかかりすぎるので、次の一手を打つことができません。
そういう意味ではWeb広告の出稿スキルがある事自体が、クライアントから必要とされます。
成果が出れば安定しやすいから
Web広告のいいところは、集客できる広告や売れる広告を配信することができれば一時は自動化に成功できることです。
SEOではアルゴリズムの変動により、検索順位1ページ目から奈落の底へ落とされることもありますが、Web広告ではお金をかけて出向しているので表示が落ちることがありません。
よってCVの高い商品だったりクリック率の高い広告を設定することができれば、あとは人の手を加えなくても自動的に集客をすることができます。
もちろん、競合が同様の広告を出稿してきたり、ユーザーの購買活動の変化により永久ではありませんが、しばらくは自動化することができます。(感覚値では1ヶ月~3ヶ月ぐらいは自動化できます。)
なので、成功できる広告を出稿できるスキルがあれば、数カ月は安定して売上を作ることができます。
成果が出るのがスピーディー
Web広告は成果が出るのが早いです。SEOと違って、入稿すると確実に表示はされるからです。
配信期間は任意のケースがほとんどです。検索結果に表示させるCPC広告などは入札額によって表示の大小を決められるので、始めは沢山表示するように設定して、クリック率などを見ながら入札額を下げるなどの微調整を日々行います。
バナー広告の場合は配信期間が決まっていること、決めることが多いのでその期間内の改善を行います。
表示されるのが早いので、お金はかかりますがPDCAを早く回せるためのデータが取れることがメリットです。
メルマガやLINEは主に既存顧客向けの販促になり、新規のボリュームが取れないので母数が少なくデータが不足してしまいますし、売上は小規模です。
一方SEOでは上位表示するまでに目安の半年間は何も成果が出ないこともほとんです。
初動を早くしたい、早く売上を上げたいと思っている方はWeb広告が最適解です。
PC1台で完結できる仕事だから
Web広告はパソコン1つあればできる仕事です。
入稿する先も、入稿する管理画面も全てWeb上にあります。パソコンでキャッチコピーや商品文章を作成し、フォトショップやイラストレーターで画像を作ります。
統計データも広告の管理画面からデータをダウンロードして分析するので、パソコン1つで一連の作業が完結します。
オフィスや自宅で作業をすることはもちろんのこと、クライアントから急な依頼変更があった際、外出していてもカフェに立ち寄り作業をすることができます。
テレワークも一時期流行りましたが、在宅ワークオンリーでもやっていける仕事となるので、自由度が高いです。
需要があり、将来性があるから
Web広告は世界的に見てもまだまだ伸び続けると予測されています。
日本もテレビよりもインターネットの広告を見てそのままインターネット上で購買活動をするのが一般的になり、この動きはまだまだ続くと予測されています。
よって、Web広告運用のスキルを持っているだけで仕事がなくなることは考えられないですし、そのスキルを活かして自分の事業を行うこともフリーランスとして活躍することもできる、とても将来性のある仕事といえます。
Web広告運用で成果を出すために必要なこと
- 市場感と商材を把握。クライアントに提案できるぐらいになる
- 数字に強くなる
- クリエイティブの知識を身につける
- 部下・メンバーを育成し、分身をつくる
1つずつ見ていきます。
市場感と商材を把握。クライアントに提案できるぐらいになる
Web広告で成果を出すためには、まず市場の規模感やその商材の立ち位置や強みなどの徹底的な調査が必要になります。広告業というとどこかクリエイティブな要素が強いように見えますが、実際には「売れそうな商品を売る」ことや「売れない商品でも切り口やポジションを変えて売る」といった戦略が重要になります。
その戦略を考えるにあたって必要なのが根拠となるデータです。
地道な分析はときにはしんどいですが、ここをしっかりと行いクライアントに納得してもらえるように、また自分の中で仮説や目標を持てるようにしていけば、成功でも失敗でも次に繋がるので大事な業務となります。
戦略立て、仮説立て、実行、検証とこの一連のサイクルを繰り返していくことでWeb広告での成果は上がりやすくなります。
数字に強くなる
Web広告は一度で成功することは難しいです。何度も、実行と改善と検証を繰り返して、数値の良いものを採用していきます。
やり始めの時点では、正解が分からないという点は辛いところですが、いいところはきちんと数値が現れることです。
感覚的な仕事ではなく、数値を元に論理的な判断を行っていけば結果は出やすいです。担当者はこのことを理解していますが、上司や経営層などは自分の感覚で間違ったアドバイスをしてくることもあるので、そういったときはきちんと数値を元に広告出稿の根拠となるデータを元に話を進めていきましょう。
クリエイティブの知識を身につける
市場感がわかり、数値を元にした改善案も把握した後にやることは実際の画像を作ったりキャッチコピーをつくります。
いくら市場があり、改善策が分かっていたとしても広告を作ることができなければ成果はでません。
そのために前提となるクリエイティブの知識を勉強することが大事です。広告の理論も勉強しますし、理論だけでなく実際の作業時に使うPhotoshopやillustratorの操作方法も使えるレベルまで練習します。
自分で製作する一連の流れを覚え、自分で広告を制作します。また、別途政策を依頼するパターンもあるかと思いますが、そのときにも丸投げするというよりは自分の中である程度企画や手順まで固めて伝えてあげるほうが、製作者としても取り組みやす業務がスムーズとなります。
制作に関する知識も日々勉強していくことで、成果を上げやすくなります。
部下・メンバーを育成し、分身をつくる
案件が増えてくると自分だけでは業務を回せなくなってきます。そうすると本人には能力があったとしても、実行スピードが遅くなり、結果的に成果が出にくくなります。
日ごろから部下やメンバーの育成を頭におきながら指導し、自分のサポートをしてくれるレベルまでに自分のノウハウをすべて教えていきます。
ここで大事なのは、自分だけのスキルとして隠し持たないことです。情報やスキルには時間の経過とともに価値がなくなってきます(誰でも一般レベルまでには育つ)。
高いレベルで自分のサポートをしてくれる人を味方につけていくことも、スピーディに結果を出すのに必要となってきます。
まとめ:Web広告運用はしんどいけど、努力したぶんだけ自分に返ってくる仕事です。
以上を見てみると、正直Web広告の仕事はしんどいです。
やることも多く細かい調整があるので作業時間は多くなりがちできついと思います。
しかし、一度ユーザーに刺さる広告を作ることができれば広告運用のいいところは集客を自動化できることです。
もちろん広告費はかかりますが、超優秀な営業マンの給料の支払いに比べれば費用を抑えられます。
はじめこそ設定の時間がかかりますが、自分が営業にかける時間も返ってくる時間対投資も良いのがWeb広告運用といえます。
そして年々そのスキルは重宝されてきていますので、Web広告運用を通じて売り上げを上げられる人材と認知されれば仕事に困ることもありませんし、収入も増えていくと思います。
Webマーケターになりたいという方は、機会を見つけてWeb広告運用の仕事を経験しておくことを強くお勧めします。